メジック社(MegiQ)製 VNA0440 (e) / VNA0460 (e)シリーズ ユーザーマニュアル 

VNA0440 / VNA0440e
VNA0460 / VNA0460e

ユーザ・マニュアル
Version 3.0

MegiQ VNA0440/VNA0460シリーズは、USBを使用したベクトル・ネットワーク・アナライザ(Vector Network Analyzer.以降「VNA」と表記)で、完全双方向2ポート測定を実現できます。
eバージョンは3ポート測定機能、プログラマブルなバイアス生成器とBias-Teeが追加されています。
異なるVNAについての表記は「VNA04x0」としています。

このマニュアルについて

このマニュアルは、VNA04x0の使用方法とVNA付属のユーザ・ソフトウェアの使用方法について説明しています。このマニュアルは本製品の可能性や特徴について紹介をしていますが、VNA測定テクニックについての専門的かつ詳細な教科書ではありません。
このマニュアルでは、UFL学習ツール・ボックス(訳注:UFLはヒロセ電機のU.FLコネクタを指しています)となるMegiQ VNA Sandboxを使用して、VNA測定方法の説明と測定例を示しています。これらの測定テクニックは、他のコネクタやシステムを用いた測定にも応用できます。
VNA Sandboxには、それ自体のチュートリアル・マニュアルがあり、測定技術とその背景にある理論の詳細に関して詳しく説明しています。
 
校正
 
VNA04x0はそのRFポートで測定が行なえるように、工場出荷時に完全にキャリブレーション(校正)されています。
しかしながら、多くの測定セットアップでは、ケーブルやアダプタがDUTからRFポートの間に接続されています。この測定セットアップは測定結果に影響を与えるため、正規化(ノーマライゼーション)により測定結果からその影響を取り除く必要があります。これはキャリブレーション(以降、「校正」と表記)と呼ばれるプロセスを通じて実現され、実際の測定セットアップを用いてユーザ自身で作業する必要があります。この校正作業には十分な注意が必要で、測定セットアップについても十分な配慮が必要です。校正作業については、校正のセクションを注意深く読んでください。

Table of Contents(もくじ)

【1】特徴

  1. VNA0440 / VNA0460
  2. VNA0440e / VNA0460e

【14】仕様

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特徴

VNA04x0は小型な回路、例えばアンテナ、アッテネータ、増幅器など全ての種類の測定に最適です。
その周波数範囲は一般的によく使われる無線通信帯域、例えばGSM, GPRS, LTE, WiFi, DECT, GPS, ISM, ZigBee, Bluetoothを含んでいます。

・VNA-0440
・VNA-0460

  • デュアル・チャンネルの
    2ポート・ベクトル・ネットワーク・アナライザ
  • 周波数範囲 は400MHz から 4GHz / 6GHz
  • 完全なポート校正により直接測定が可能
  • Cal Kit(校正キット)をフル・サポート
  • プリセット機能により簡単に設定が可能
  • 複雑なパラメトリック掃引に対応
  • マッチング回路カリキュレータを内蔵
  • 高品質なグラフィックスによるレポート機能
  • コンパクトで軽量なデザイン

・VNA-0440e
・VNA-0460e

  • バイアス発生器を内蔵
  • プログラマブルなバイアス電圧とバイアス電流
  • バイアス電圧、バイアス電流を含むパラメトリック掃引
  • 付加的な信号発生ポート
  • 3ポート測定をサポート
  • 外部にブリッジを接続した測定をサポート

VNA04x0は測定器であり、そのハードウェアにダメージを与えないようにするため、幾つかの注意点のもとに取り扱わなければなりません。

VNA ポート・コネクタ

 SMAコネクタをVNAのポートに対して必要以上に固く締め付けないでください。手で締め付けるよりも若干固い程度で十分です。

 安価もしくは低品質のSMAコネクタは使用しないでください。センタ・ピンにわずかなダメージもしくはミスアライメントを与えることで、VNAのSMAポートは簡単に劣化してしまいます。ポート・コネクタがダメージを受けた場合は、当社の保証は適用されません。

 コネクタを締め上げるとき、正しい感触が得られない場合は、それ以上の締め付けを続けないでください。何がおかしいかを見つけるか、コネクタを交換してください。

 SMAポート・コネクタは、500回の挿抜が最大です。その後には、信頼性と再現性が低下します。非常に多くの挿抜回数が予想される場合は、SMAのオス・メス・アダプタを使用して、コネクタを保護することが良いアイデアです。

入力レベル

 最大RF入力レベルに注意してください。VNA04x0は20dBmのRF電力まで許容します。パワー・アンプを測定する場合には、アッテネータを使うことが必要となるでしょう。

 最大DC入力レベルに注意に注意してください。VNA04x0は±20V DCまでは、ダメージを受けることなく許容できます。

 ポートの対グラウンド抵抗は、0.2Wの最大許容電力となっています。使用においては、抵抗に100mA以上流れないことを確実にし、また電圧も2Vを超えないようにしてください。

 VNAの標準的な電源供給状態ではグラウンドに接続されていません。これはVNAのグラウンドがフローティングになっていることを意味します。グラウンドに未接続状態のラップトップPCと接続するとか、電源が供給されていない場合は、測定セットアップ全体がフローティング状態となります。測定セットアップをシステム・グラウンドに接続することが必要になる場合があります。

一般的事項

 コネクタは簡単に汚損し、ラボ全体にホコリをまき散らします。コネクタはクリーンにしておき、定期的にフラックス除去液もしくは他の溶剤(劇薬ではないもの)を使って、定期的にブラッシングする必要がありますう。

 UFLコネクタは簡単に使用できますが、脆いという欠点があります。接続するときに力を加えてはいけません。また引き抜くときはまっすぐに引き抜いてください。大きな力を加えないようにしてください。

ソフトウェアの
インストール

VNAソフトウェアをインストールするには、USBスティックメモリーの中にある「SetupMiQVNA.exe」のファイルを用いるか、もしくはファイルを直接ダウンロードして実行します。ソフトウェアのインストールは、ほんの少しの設定が必要かデフォルトのままでよく、非常に素直なものです。
このソフトウェアは、デフォルトで 「Program files (x86)\MegiQ\VNA」にインストールされます。サブ・ディレクトリ「Data」には、測定セッション例のファイルが保存されます。サブ・ディレクトリ「Driver」には、インストールに必要な詳細ドライバ・ファイルが含まれています。
「MegiQ VNA Software Setup」というマニュアルでは、Windowsの異なるバージョンにおけるインストールの詳細について説明しています。

コマンド・ライン・オプション
MiQVNA [-c] [session file] -c:全てのユーザ設定を初期化し、インストール状態に戻します。
Session file:プログラムがスタートするときに読み込こむセッション・ファイルです。


ハードウェアの
インストール

ハードウェアのインストールは、オペレーティング・システムとそのバージョンに依存し、幾つかの異なる手順となります。ハードウェアのインストール手順については、上記のマニュアル(MegiQ VNA Software Setup)にその詳細が説明されています。
Windows 10については、ハードウェアのインストールは不要です。VNAをコンピュータに接続すれば、Windowsが必要なドライバをインストールしてくれます。


VNAの
動作モード

VNAはBootloaderモードVNAモードというふたつの動作モードを持っています。
VNAがUSBポートに接続されたときに、DC電源が供給されていない場合は、VNAはBootloaderモードに入ります。フロント・パネルのLEDは暗く点灯するだけです。Bootloaderモードでは、新しいファームウェアかコントロール・ファイルをアップロードすることのみが許されています。通常のVNAモードも、その機能を同様に提供しています。このBootloaderモードは高い安全性をもった機能であり、非常に稀なケースではありますが、VNAアプリケーション・ソフトウェアがクラッシュしたときに、安全に動作させることができます。
VNAがUSBそしてDC電源に接続された場合は、VNAは通常のVNAモードに入ります。LEDは緑色(VNA04x0)もしくは緑色と青色(VNA04x0e)に点灯します。
PCのアプリケーション・ソフトウェアは、両方のモードでVNAと共に動作させることができますが、Bootloaderモードはファームウェアのアップロードとインストールをサポートする機能のみが提供されています。

VNA測定の概要

VNAは高周波におけるインピーダンスとゲインを測定します。そしてその大きさと位相の両方を測定することから、この測定器はVector Network Analyzer と呼ばれます。
測定は目的の周波数範囲全体を掃引することで実現され、測定結果は周波数応答カーブとして表示されます。

1ポート測定

1ポート測定

アンテナやRF回路など1ポート・デバイス(訳注:以降、Device Under Testとして「DUT」と表記。右図ではEUTとなっています)の測定ができます。測定を行うためにVNAはポートからDUTに対して信号を送出し、同時にポートに戻ってきた信号を受信します。受信信号を測定することにより、VNAはそのポートに接続されているインピーダンスを計算することができます。

1ポート測定

2ポート測定

VNAは増幅器やフィルタなど2ポート・デバイスを測定することもできます。このセットアップでは、2ポートのインピーダンス測定を行います。また送出信号はDUT内を伝達し、もう一方のポートでその信号が測定されます。これでDUTのひとつのポートからもうひとつのポートへのゲイン(もしくは損失)測定ができます。このゲイン測定は両方向で行うことができるため、DUTの特性評価を完全に行うことが可能となります。

複数ポートの測定

VNAは増幅器やフィルタなど2ポート・デバイスを測定することもできます。このセットアップでは、2ポートのインピーダンス測定を行います。また送出信号はDUT内を伝達し、もう一方のポートでその信号が測定されます。これでDUTのひとつのポートからもうひとつのポートへのゲイン(もしくは損失)測定ができます。このゲイン測定は両方向で行うことができるため、DUTの特性評価を完全に行うことが可能となります。

Sパラメータ

測定対象であるDUTのインピーダンスゲインの特性は、「散乱パラメータ」もしくは「Sパラメータ」と呼ばれるもので表現されます。それらは「Sxy」と記述され、xとyはポート番号を意味します。ポート番号のxとyが同じである場合は、それはインピーダンスという意味になります。ポート番号が異なる場合は、それはポートyからポートxへの信号伝達ゲインもしくは損失を表しています。

VNA04x0が測定することのできるSパラメータは以下となります。
  S11 :∇ポート1のインピーダンス
  S22 :∇ポート2のインピーダンス
  S12 :∇ポート2からポート1へのゲインもしくは損失
  S21 :∇ポート1からポート2へのゲインもしくは損失

VNA04x0eは、以下のパラメータも測定することができます。
  S13 :∇ポート3からポート1へのゲインもしくは損失
  S23 :∇ポート3からポート2へのゲインもしくは損失

インピーダンスのSパラメータは、複素インピーダンスやリターン・ロス、フォワード・ロスやSWRという形式の数値に変換できます。これらは全てインピーダンスを表しています。
ゲインのSパラメータは、一般的には大きさと位相で表されます。位相は群遅延で表すこともできます。群遅延は複数ポートをもつデバイスでのダイナミックなディレイ特性になります。

ブロック・ダイアグラム

掃引発振器
(信号発生器)

信号発生器はRF信号を発生し、目的の周波数範囲を掃引します。この信号が測定に用いられます。測定における信号送出経路として、P1もしくはP2のどちらかの出力ポートに信号をスイッチすることができます。VNA04x0eでは、もうひとつ別の信号送出用出力ポートが用意されています。
また設定を可変できる増幅器により、希望する信号レベルを設定できます。

注:信号発生器は、その周波数範囲を掃引するだけではなく、出力電力も掃引させることができます。例えば加えた電力に対する、複素インピーダンスの変化の特性評価をすることができます。


I/Q 検出器

測定の受信部分では、受信したキャリアがI/Q検出器に供給されます。S11もしくはS22の測定では、送出ポートは受信ポートと同一のポートになることに注意してください。
ポート1とポート2のふたつの受信チャンネルがあります。それぞれの入力は、検出器に最適な信号レベル設定となるように、最初にアッテネータを経由します。信号を実数部と虚数部に分離するためにI/Q 検出器が用いられ、その位相基準は信号発生器になります。この物理量はADコンバータによりディジタル値に変換され、校正データとともに複素インピーダンスやSパラメータなどを計算するために用いられます。


コントローラ

コントローラは、測定器のハードウェアと全ての機能を制御し、校正データを保存し、測定生データを処理します。またコントローラは、USBを経由してPCと通信することでソフトウェア・ユーザ・インターフェースを構成し、測定や表示、結果の保存が可能となります。


バイアス発生器


VNA-04x0eは、内部にプログラマブルなバイアス発生器が内蔵されており、安定化された電圧/電流電源供給回路として使うことができます。そのレンジは-12Vから+12V、1mAから100 mAまでの両極性になっています。
バイアス発生器は、DUTの特性評価のため、異なるバイアス条件でステップ変化させることができます。
ソフトウェアにより、バイアス発生器と全てのRFポートそれぞれとが接続されるように選択設定できます。各ポートは低抵抗でのグラウンド接続にも、オープンにも設定できます(訳注:この機能は「バイアス状態」と以降では訳しています。OPEN, GND, Biasとも表記します)。対グラウンドに接続される抵抗は、バイアス電流のリターン経路になります(ダイオードもしくはほかの素子を通して)。オープンの設定での抵抗値は、グラウンドに対して100kΩが接続された状態になります。

警告:そのポートの対グラウンドに接続される抵抗の最大電力は0.2Wです。抵抗に流れる電流が100mAを超えないように、また電圧も2Vを超えないよう注意する必要があります。


掃引シーケンス

多くのVNAでは、発振器は周波数掃引機能のみで、出力電力レベルは固定のままです。DCバイアスについても、固定電圧もしくは電流をBias-Teeを経由して与えるようにしか構成できません。
一方でVNA04x0は、ひとつの測定セッションにおいて、幾つかのパラメータを掃引する機能を提供しています。これにより異なる条件でDUTの特性評価が可能となります。

幾つかの例を示します。

◆ C級増幅器の入力電力を5段階とし、目的の周波数範囲においてS11の特性評価をする。たとえば2300~2600MHzを10MHzステップで、入力電力を-20~0dBm(5dBステップ)で変化させる。

◆ 異なる5つのDC電源供給条件ごとにリニア・アンプのS22を特性評価する。内部のバイアス発生器からBias-Teeを経由して、同じポートから増幅器に電源供給する。他のポートから供給することも可能。掃引は1800~2800MHzを100ステップで行い、プログラマブルなバイアス発生回路が電流源となり、30~70mAを5ステップで供給する。

◆ 電圧制御型ローパス・フィルタのS11とS21の測定をする。400~4000MHzを100ステップで掃引し、バイアス電圧を1~5V、1Vステップで変化させる。

多くのステップと複数の掃引パラメータを統合できますが、その結果として非常に多くのデータと、非常に多くのトレース(訳注:測定データの曲線を指します)をスクリーン上に表示することになってしまいます。これは結果を非常に読みにくくすることにつながりますが、データを他の解析手段にエクスポートする場合には、非常に有効です。

ファイル・システム

VNA04x0のファイル・システムは、デバイス固有の校正データを保存し、ファームウェアのアップグレードのための中間ストレージとして機能します。
幾つかの校正データがVNA内部で使用されます。ポート校正データは、VNAが接続されたときにVNAソフトウェアによりロードされます。

ユーザ・インターフェース・ソフトウェア

測定器自体はユーザ・インターフェースを持っていませんが、USB経由でPCと通信することで、Windows上で動作するソフトウェアとしてユーザ・インターフェースを提供します。

ユーザ・インターフェース

このソフトウェアの最重要な機能は以下となります。
 ● 測定のセットアップ
 ● 測定の校正の制御
 ● 測定と結果の表示
 ● 測定結果とセットアップの設定、保存、読み出し
 ● 測定データのレポートとエクスポート
ソフトウェアのユーザ・インターフェースには、そのスクリーン上に5つの主たる領域があります。

Utilities
ユーティリティ
utilities

ユーティリティは4つのボタンが上部の左角にあります。左から右に向かって
・ 測定器とのUSB接続のオン・オフをトグルします
・ オプション・スクリーンを開き一般的な設定をします
・ プリント・スクリーンを開き、グラフをプリントやエクスポートします
・ プリセット測定をロードします


Session Manager
セッション マネージャ
Session Manager

セッション・マネージャは、測定器の設定(セッティング)や校正データ、測定データを保存したり、読み出したりすることができます。これらはリスト中に表示され、それをディスク上のファイルに保存することができ、また後で読み出すことができます。
プロジェクトごとにファイルを作ることができます。また測定ごとに作ることもできます。それによりユーザの作業の追跡が可能になります。
測定データを保存しておけば、あとで同じデータを使って、異なる種類のグラフを生成することもできます。


Settings
セッティング タブ

Settings
設定(Setting)を変更することができます。Settingペイン(訳注:ウィンドウの個々の表示領域の意味)の下のタブをクリックすることで、異なるペインの中にある、掃引方法や周波数、出力レベルなどの設定パラメータを、選択し変更することができます。たとえばMeasurementペインを選択すれば、どの種類の測定(ポート)を行うかをユーザが選択できます。
ひとつの特別なタブはScreenタブです。これはSettingsペインを最小化しグラフ領域を最大化します。


Sweep Controls
(掃引制御)

Sweep Controls
測定の開始、終了、データの保存やエクスポートができます。


Graph(グラフ)

測定結果をグラフとして表示できます。Displayタブを用いることで、どの種類のグラフを表示したいかを選ぶことができます。


タッチ・スクリーン

PCがタッチ・スクリーン機能を持っていれば、オンスクリーン・キーボードを使ってパラメータやファイル名を入力できます。入力フィールドをダブル・クリックすることで、このタッチ・スクリーン・キーボードが開きます。
同じ位置を数秒押し続けることで、ダブル・クリックと同じ操作となります。

簡単な測定

VNAのポートで直接測定する場合、測定は非常に単純です。校正の必要はありません。

The simple measurement

1ポート、2ポート測定をVNAのポートで直接行うことができます。

presetmeasurement

  1. VNAをUSBポートに接続し、VNAソフトウェアを起動します。
  2. ソフトウェアがVNAと通信を確立するまで待ちます。(VNAモデルが表示され、プログレス・バーが終了します。)
  3. 目的とするDUTをVNAのポートに接続します。
  4. 1ポート(S11かS22、もしくはS11とS22の両ポート)、2ポートのプリセット測定を選択します。これにより測定セットアップがロードされ、グラフ領域が設定されます。
  5. Calibrationタブに移り、必要に応じてUse Calibrationチェック・ボックスをオフにします。
  6. SweepもしくはRunボタンをクリックして測定を実行します。

VNAソフトウェアは、単一掃引もしくは連続掃引で動作することができます。ユーザによっては連続掃引モードが良く使われます。それはアンテナ周辺に手をかざしたときの手の動的な影響や、DUT特性の変化をみたりするのに非常に有効だからです。
単一掃引モードは開発や最適化を行うときに非常に有効です。測定結果を検証したり、保存して後で読み出したりすることができるからです。これにより回路を変更する前後の連続したスナップ・ショットを得ることができ、測定結果を各々比較することで開発プロセスを後戻りすることができます。

校正

VNAはそのポートで直接測定できるように校正されていますが、デバイスを測定するためケーブルが接続されているとき、アダプタやケーブルの先端で測定を校正しなくてはなりません。それによりケーブルが無い場合のDUT特性として測定することができます。
より詳細な校正のコンセプトや手順については、このマニュアルの後半でより詳しく説明します。

掃引コントロール バー

掃引コントロール・バーには幾つか機能があります。

掃引コントロール・バー

Sweepボタンをクリックすることで単一掃引を実行できます。Runボタンをクリックすることで連続掃引を実行できます。このボタンはRun/Stopとしてトグルします。
これらのボタンは、測定するための動作条件や測定セットアップが準備できていない場合、ディスエーブルになります。たとえばVNAが接続されていない、もしくは校正が行われていない場合に相当します。

測定の保存

測定結果を保存できます。以下はその簡単な説明です。この詳細についてはセッション・マネージャの章を参照してください。
Save As ボタンは直近に行った測定を、その最中の設定と校正データも含めてセッション・リストに保存します。プログラムを終了する前にセッション・リストをハードディスクに保存してください。
Save ボタンは、セッション・リスト内にある測定結果を上書きします。
Export ボタンは、測定データをハードディスクにTouchstone フォーマットで保存します。Touchstone フォーマットは、RFシミュレーション・ソフトウェアなどで用いられるフォーマットです。

校正の必要性

校正の必要性

ベクトル・ネットワーク解析では素子や回路のインピーダンスを測定します。高周波ではどんな長さのケーブルもインピーダンス変換器として働きます。それにより実際に見えるインピーダンスが変化します。さらに、より高い周波数においては、多くのケーブルが損失を持つようになり、それによってゲインとインピーダンスのチャートに影響を与えます。
幸いなことにこれらのケーブルは線形素子として動作するため、線形代数によって正規化することができます。本ソフトウェアはこの機能を提供しますが、実際の測定を開始する前に、目的の全ての周波数範囲において、幾つかの既知のインピーダンスを用いて校正を行う必要もあります。
そのため測定器を使用する前に、ケーブルやコネクタなども含めた全ての測定セットアップ状態で、測定に必要な周波数範囲で校正を行なう必要があります。
ソフトウェアはこの校正データのワンセットを保存します。MegiQ VNAは温度に対して非常に安定であることから、この校正手順を何度も実行する必要はありません。
しかしケーブル、コネクタ、測定周波数範囲を変更したときは、校正を再度実行する必要があります。また校正が終了した後に、ケーブルを強く曲げないでください。

校正と正規化

未知の測定セットアップ状態を測定する手段を「校正」と呼びます、これでその測定セットアップの特性が保存されます。
校正データは、測定中に測定データを正規化するために用いられます。その結果、測定自体が測定セットアップとは無関係になり、測定セットアップの影響を受けることなく、正しいDUTの測定結果を得ることができます。

ハードウェアに依存しない校正

VNA04x0の校正データは、ポートの電力レベルにおいて正規化されます。このデータはハードウェアに対して独立した形となり、測定に用いることができる、別のどのVNAに対しても適用することができます。これにより、ひとつのVNA04x0のユニットで校正すれば、このユニットを他のVNA04x0と交換しても測定をそのまま継続することが可能になります。

OSLT校正

MegiQ VNAソフトウェアによる校正では、以下のインピーダンスと接続(終端)が用いられます。

Open よく定義されたオープンとなる回路端面
Short よく定義されたショートとなる回路端面
Load 精密な50Ωのインピーダンス(ロード)
Through 2ポート測定において、よく定義された2ポート間のスルー接続

これらの校正手法はOSLTとかSOLTと呼ばれます。
校正手順としては、これらの終端を順番に接続し、ソフトウェアはそれぞれの終端において校正測定を行います。
これらの校正のために用いるインピーダンスの組み合わせは、校正キットとかCal Kit と呼ばれます。それらには異なる複数の種類があり、SMA Calkit、N Calkit、UFL Calkit、Balanced Calkitなどです。どのCalkitを使うべきかは、どのコネクタの種類ならDUTに最も位置を近づけることができるかという、セットアップをどうするかに依存します。小型のマイクロウェーブ素子では、UFLのコネクタが非常に多くかつ一番適切に使われています。
MegiQ VNAで複数ポートの測定をする場合においては、ケーブル両端にLoad終端を接続し、ポート間Isolationを測定します。なおここで用いるLoad終端は、Load校正で用いるLoad終端ほどの精度は必要ありません。

【訳注】
MegiQ社では、一般的に差動信号と呼ばれている信号伝送方式を、DifferentialとBalancedに分けて表現しています。下記は同社資料のUFL and Balanced Connectivity & Calibration Kit Overviewから抜粋したものですが、Differentialをコモンモード電圧が確定している信号、Balancedをコモンモードがフロートの信号として、それぞれ定義しています。ご参考としてください。
OSLT校正

全12項目の正規化

2ポート測定では、その測定結果において、全ての測定セットアップの特性が正規化されていることが重要です。2ポート測定の校正でVNAは12の異なる測定セットアップの特性を集めていきます。それらは2 x Open、2 x Short、2 x Load、2 x Through、2 x Isolation、そして信号源ポートと接続される受信ポートの2 x インピーダンスです。結果は12項目の正規化(ノーマライゼーション)に用いられ、DUT特性を、まるで信号源側と負荷側が完璧にインピーダンス50Ωで終端されているように正規化できます。

リファレンス面

校正の必要性
UFL

Cal Kitで重要なことは、全てのインピーダンスは、そのコネクタの端面もしくはその内部の同一点で正確に定義されている必要があるということです。この点をリファレンス面もしくは校正面と呼びます。校正された測定はDUTに対してこの点において定義されます。
コネクタ型Cal Kitのリファレンス面は、ケーブル測定やシステム測定などの多くのケースで使いやすいように、コネクタ内部に位置しています。
プリント基板ベースのCal Kitのリファレンス面は、終端が位置するポイントに位置しています。これらは右図のUFLの図の中に表記されています。Through校正は、ポート間に長さを持っています。Through測定ではこの長さと比較されます。測定結果がさらに短い場合は、負の位相が得られます。
リファレンス面を測定点にできるだけ近づけることが重要です。

校正キット

Open, Short, Load校正では、これらのインピーダンスを定義するための校正エレメントが必要となります。全ての測定はこれらのエレメントの品質に依存するため、できるだけ正確である必要があります。加えて、それらは全て同じリファレンス面で校正される必要があります。同じくThrough 測定の場合も、よく定義されたThrough エレメントを用いて校正する必要があります。
校正エレメントの組み合わせは、一般的にひとつのセットとして販売されており、それらが「校正キット」もしくは「Cal Kit」と呼ばれるものです。しかしながらこれらのエレメントが理想特性であることはなく、理想値からのずれがあり、またまれにリファレンス面が線路長差をもつため、影響度の高いディレイを含んでしまうことがあります。
一般的にCal KitはVNAソフトウェアで利用できる補正係数やパラメータが用意されており、より正確な校正結果を得るために、それらを使って校正エレメントのずれを補正するようにします。
テスト治具もしくはプリント基板ベースの測定では、だいたいの場合、補正係数は存在しません。基板の層構成を通して測定が校正されるため、それをモデル化や特性化することができないからです。

校正手順

The MegiQ VNA SandboxとUFL and Balanced Calkitには、UFLコネクタが実装されたデュアルCalkit(訳注:デュアルCalkitについては「2ポート校正」の箇所で説明します)が用意されています。これにより2ポートの校正が、単一のCal Kitの場合と比べて非常に高速に実現できます。基板上に記載の回路番号は、Openが11、Shortが12、LoadIsolationが13、Throughが14になります。
校正手順は非常に直感的です。以降でステップ・バイ・ステップのやり方を見ることができます。そこでは1ポート、2ポート測定での校正プロセスを説明します。なおUFLコネクタとSMA/UFLアダプタでMegiQ VNA-Sandboxを使うときにはケーブルが必要です(VNA Sandboxキットの中に含まれています)
校正作業の間では、これから実際の測定に使うものと全く同じケーブルとコネクタを使う必要があります。完全な測定セットアップの状態で校正しない限り、非常に混乱する結果を招く可能性がとても高くなります。

1ポート校正(OSL)

UFL

1ポート測定を実行する場合は、Open、Short、Loadのみを行うだけです。

測定器のセットアップ

・測定の種類を選びます(1ポート)。周波数範囲、信号発生器の電力レベルなどを設定します。
Calibration タブを選択します。これは測定のために必要な校正を表示し、測定するポートの設定も表示します。

Port Setup ボタン

Port Setup ボタンをクリックし、ポートの構成をセットアップします。

port1

・ポート構成フォームからVNA Sandboxでのコネクタの種類Gender(極性)を選びます。プログラムは適切な校正キットのエレメントをサーチします。OKをクリックします。

・Calibrationタブに戻ります。Calibration が緑色だと、すでに校正が済んでおり、赤色はまだ校正が必要なことを示しています。Calibrateボタンをクリックすることで、ステップ・バイ・ステップで校正を進めることができます。しかし校正は、ほかのどんな順番でも行うこともできます。

Calibratation

・校正が全て完了したら、左上の赤の×印も緑色に変わり、Use Calibration チェックボックスが自動的にオンになります。しかしそのボックスはいつでもオンにできます。これは校正自体に対して何の影響も与えません。

このタブがアクティブであり、リストの中で校正項目が選択されていれば、VNAのポートのLEDは、以下に示す色で点滅することで、どの終端タイプをそのポートで用いるべきかを示しています。

 :Open終端
 :Short終端
 :Load終端
 :ふたつのポート間にThrough接続

Open

  1. Open 終端をポートに接続します。
  2. P1-Open を選択し、Calibrateボタンをクリックします。

Short

  1. Short 終端をポートに接続します。
  2. P1-Short を選択し、Calibrateボタンをクリックします。

Load

  1. Load 終端をポートに接続します。
  2. P1-Load を選択し、Calibrateボタンをクリックします。

最終チェック

Calibratation

全ての校正ステップが完了すると、画面左のマークが緑色になり、Use Calibrationオプションのチェック・ボックスが自動的にチェックされます。
ポートにLoad 終端を接続したままで、Sweep をクリックします。全ての測定点が、スミス・チャート上での中心(50Ω)に非常に近い位置になっていなければなりません。またリターン・ロス・チャートでは、全てのポイントで-40dBより低い結果になっていなければなりません。
これで測定を開始できます。しかし注意すべきこととして、ケーブル、コネクタ、測定周波数範囲を変えた後には、再度校正を実行する必要があります。

2ポート校正(OSLT)

2ポート校正

2ポート測定を実行する場合は、OSL校正をふたつのポートに対して行う必要があり、またふたつのポート間でThrough 校正を行う必要があります。同じくIsolation校正も必要です。
一般的にCal Kit は種類ごとにひとつの終端を用意しており、8つの校正手順が必要です。MegiQ UFLツール(Calkitやアダプタなどの付属品を指します)にはデュアルCalkit(上右図)が用意されており、校正ステップを結合して実行できます。これにより校正を4ステップに軽減できます。
以下は、デュアルCalkitを用いた校正手順について説明しています。

測定器のセットアップ

・測定の種類(2ポート)を選びます。周波数範囲、信号発生器の電力レベルなどを設定します。
Calibration タブを選択して、Port Configuration をセットアップしま。す
・デュアルCalkitを使用すれば、ふたつの終端状態を実現できるので、Dual Calkit オプションのチェック・ボックスをチェックします。

Calibratation

・右記のリストは、それぞれの校正ステップにおいて、どのふたつの接続が必要か、どの校正エレメントを用いるべきかを表示しています。

Open

  1. 両方のポートにOpen 終端を接続します
  2. P1-Open / P2-Openを選択して、Calibrateをクリックします。

Short

  1. 両方のポートにShort 終端を接続します。
  2. P1-Short / P2-Shortを選択して、Calibrateをクリックします。

Load

  1. 両方のポートにLoad終端を接続します。
  2. P1-Load / P2-Load を選択して、Calibrateをクリックします。これによりIsolationも校正できます。

Through

  1. ふたつのポートをThrough 校正コネクタで相互に接続します。
  2. P2-Tru-P1 を選択して、Calibrateをクリックします。

最終チェック

Calibratation

ふたつのポートが相互に接続されている状態でSweepをクリックします。両方のスミス・チャートで、各測定点は中央に非常に近い位置にあるはずです。リターン・ロスも-40dBより低くなっているはずです。Throughのゲインは、ほぼ0dBになっているはずです。
これで測定を開始できます。しかし注意すべきこととして、ケーブルやコネクタや周波数範囲を変えた場合、再度校正を実行する必要があります。

ディエンベデッド

インピーダンスを測定したいポイントに、リファレンス面をできるだけ近づけることが重要です。例えばアンテナ基台が例として挙げられます。周波数によっては長さ数mmでさえ位相を変化させ、間違った結果を得てしまいます。
測定点のできるだけ近くで校正ができない場合、パターンや伝送線路の先端部分を、測定結果からディエンベデッドする(取り除く)ことができます。
プリント基板ベースのUFL測定では、以下の手順に従うことで、パターン部分をディエンベデッドすることができます。コネクタ測定においても、同様の手順を使うことができます。

・まずケーブルなどをVNA Sandbox OSL 終端で校正します
・DUTでは、目的とする測定点が位置するところで回路がオープンになるよう、その点の部品を取り外すか、パターンをカットします。

Deembed

・測定ケーブルを接続してSweepボタンをクリックし、オープン回路のインピーダンス測定を実行します。

Display タブの中で目的とするSパラメータを選択し、Set Open ボタンをクリックします。
・リファレンス面がオープンになった端面の位置に移動し、それ以降の測定はその点において行われます。

この手順は、測定点をグラウンドにショートして、Set Shortボタンをクリックすることでも同様に行うことができます。
2ポート測定においては、Through 経路のディエンベデッドを行うためにThrough 測定を用いることができます。

測定項目

測定をつかさどる幾つかの設定項目が用意されています。ポート・セットアップ、掃引タイプ、信号発生器の周波数と電力レベル、検出器の設定、バイアス発生器の設定とバイアス状態(Open, GND, Bias)です。これらの項目はパネル中のタブからアクセスすることができます。
この章では、測定タブとその他のタブの機能について説明します。

測定パラメータの設定

測定パラメータの設定

実行する測定を測定パラメータにて定義します。これらのパラメータは手動で設定することができますし、これまで実行し過去に保存した設定やプリセット状態を呼び出すこともできます。
測定を制御するパラメータは周波数、電力レベル、アッテネータ設定、バイアス電圧、バイアス電流です。これらのパラメータは図のエディット・ボックスから制御できます。
掃引設定によって、掃引中にパラメータをステップ送り、もしくは固定に設定することができます。このフィールドは、掃引設定のパラメータが青色の矢印で、固定設定のパラメータが青色の縦バーでそれぞれ示されます。
掃引パラメータは、スタート、ストップ、そしてステップ値を入力することができ、滞留時間(それぞれの測定点に滞留する時間)も設定できます。
固定設定のパラメータは固定値を設定でき、入力できる最小値と最大値も表示しています。
フィールドをダブル・クリックすれば、数値入力スクリーンになり、マウスもしくはタッチ・スクリーンで数値を入力することができます。そこでも入力できる最小値と最大値が表示されています。
掃引パラメータは、ステップ数よりもひとつだけ大きい測定ポイント数になります。これはそのシーケンスの最終点も含まれているからです。

Screen(スクリーン)

Screen タブでは、グラフ領域を最大化するために、コントロール・パネルを最小化することができます。

Measure(測定)

Measurements パネル(下図)は、複数の測定サイクルにおいて、信号発生器の信号が異なる測定ポートに加えられている場合、どの信号を測定しているかを示しています。
測定パラメータの設定
これらの値は変更不可で、Select Measurementボタンで測定条件を(訳注:Measurementsスクリーンを用いて)変更することによってのみ変更することができます。
測定接続図(Connection Diagram)は、以下のようにメイン・スクリーンの左側に表示されます。

(訳注:この接続図は、Measurementsスクリーンに大きなボタンとして選択肢が表示されており、それを選択することでメイン・スクリーンの左側に表示されることになります。)

測定パラメータの設定

(訳注:下図はMeasurements パネルと、次に説明するMeasureペインの位置を示しています)

MeasurementsパネルとMeasureペインの位置

測定の選択

Measureペイン(Measurement Pane)は現在選択されているセットアップを表示しています。セットアップを変更したい場合は、Select Measurement をクリックし、以下の図のMeasurementsスクリーン(訳注:原文ではVNA測定ダイアログ・ボックス; VNA Measurement Dialog Boxと表現されています)を開いてください。
このMeasurement スクリーンで、測定セットアップ(DUTに対してどのポートを接続するか)を選択します。外部に方向性結合器を使いたいときも、ここで指定できます。
一番上の横一列と一番下の右から二番目のボックスは、1、2、3ポート測定でよく用いられるセットアップです。いちばん右下のボックスは、単方向Through測定(全12項目正規化なし)で、S11とS12しか測定しません。これを用いることでThrough 測定を高速化できます。その他のセットアップは、外部にブリッジやミキサを接続するときに活用できます。
Measurementsスクリーン

ポート設定のセットアップ

測定パラメータの設定

校正において、ポートもしくはケーブルにどの種類のコネクタが使われているかを、ソフトウェアに知らせる必要があります。それによりソフトウェアが正しい校正キット・エレメントを選択できることになります。このポート設定は、Port Setup ボタンからセットアップできます。これによりPort Configurationスクリーンが開きます。
測定状態に依存して、ひとつか、もしくは複数のポートのペインが有効になります。それぞれのポートで、Connector TypeGender(極性)を選択します。ソフトウェアは利用できる校正キットのなかから、最適かつ校正エレメントとしてマッチングするものを自動的にサーチします。コネクタはメスもしくはオス極性のものを使用できます。
Neutral 極性は極性のない(オス・メスの定義ができない)校正キットのために使うことができます。例えばプリント基板やテスト治具、校正キットです。(訳注:Sandbox内のUFLツールも含まれます。)
図中のGenders (極性)測定用コネクタの極性を指します。(訳注:校正キットの極性ではありません。)
ひとつ以上の校正エレメントがキット中から見つけられない場合は、スクリーンを閉じることはできますが、セットアップは完了しておらず、校正を実行することができません。
Cal KitsボタンによりCalibration Kit Manager スクリーンを開くことができます。この機能はこのマニュアルのいろいろな箇所で説明されています。

Sweep(掃引)

VNAは測定を実行するときに、ひとつもしくは複数のパラメータを掃引させることができます。一番よく使う掃引は単純な周波数掃引です。それはスタート値からストップ値に向かって周波数が進むというものです。測定中は他の全てのパラメータは固定のままです。
これ以外のとても便利な掃引機能として、直線性測定を実現する測定電力ステッピングや、アクティブ素子の測定に対してのバイアス電圧やバイアス電流のステッピングがあります。
Sweep タブはVNAのパラメータと、パラメータのどの項目が掃引に含まれているか(青矢印)、どれが固定値(青垂直バー)であるかを示しています。
Select sweep ボタン
掃引はSelect sweep ボタンで変更することができます。これによりSweep Manager スクリーンが開きます。

Sweep Manager(掃引マネージャ)

掃引マネージャは掃引を選択したり、新しい掃引を定義したり、設定した掃引を削除したりすることができます。

Sweep Manager(掃引マネージャ)

スクリーン左側は利用できる掃引のリストです。そのうちのひとつがハイライトしている場合、スクリーンの右側部分は、その掃引のセットアップを示しています。
掃引を選択するには、リスト中でその掃引をハイライトさせ、Selectボタンをクリックします。目的とする掃引をダブルクリックしても同様に選択できます。

Nested sweeps(入れ子構造による掃引)

ここに表示されているPower-Frequency掃引には、電力と周波数のふたつの掃引パラメータがあります。掃引は上から下に向かって実行されます。上側のパラメータのそれぞれのステップで、下側のパラメータの掃引が実行されます。
セットアップの一番下のパラメータにより、測定結果のトレース(訳注:測定データの曲線)が得られます。上位のパラメータのステップにおいて、一番下のパラメータでの測定トレースが生成されることになります。

測定パラメータの設定

先の図に示したPower-Frequency掃引では、電力ステッピング設定を-30, -20, -10, 0dBm の4ステップとして、それぞれの周波数トレースが得られることになります。
このスクリーンの下部右側は、測定最中は固定になるパラメータを示しています。
このスクリーンのパラメータは、デフォルト値です。Sweepが選択されたとき、全てのパラメータはこのデフォルト値にセットされますが、コントロール・パネルによって変更することもできます。
Frequency-Power掃引は、これらふたつのパラメータを逆転したものです。上図の例では、1000, 2000, 3000,4000 MHzのそれぞれの周波数において、電力を-30 から 0 dBm で掃引します。

Parallel parameters(並列パラメータ)

Parallel parameters(並列パラメータ)

掃引の最中に複数のパラメータを並列に使うことができます。例えば、測定電力をステップで上昇させたとき、検出器のひとつもしくは両方のアッテネータを一緒にステップ・アップさせ、測定電力が検出器の最大測定電力を超えないよう適切に動作させることができます(増幅器を通した場合など)
一行の並列パラメータのうち一番左側のパラメータが、その掃引条件でのステップ数を決定します。

新しい掃引シーケンスの作成

ユーザ自身で掃引シーケンスを作成することが可能です。New ボタンを使って新規の掃引をスタートさせ、その掃引の名称を入力します。
その後にAdd ボタンを用いて、その掃引に関わるパラメータを選択します。

新しい掃引シーケンス

このプロセスは、スクリーンの上から下に向かって進みます。最下位のパラメータが測定トレースとしてのパラメータになります。
掃引シーケンスはSave ボタンを使って保存することができます。

Generator(信号発生器)

VNAでもっとも多く行う設定は信号発生器であり、そのうちのほとんどが周波数掃引に関してのものです。
Generator(信号発生器)
Generator パネルでスタート周波数、ストップ周波数とステップ数を設定します。Stepsの隣の数値はMHz当たりのステップ・サイズを示しています。
信号発生器で電力レベル設定を非常に大きくすると、被テスト回路に過大入力を与える可能性があり、予期しない結果を得ることになります。これはとくに増幅回路にありがちです。より高い電力レベルまで電力を増幅するからです。
逆に信号発生器のレベルが非常に低すぎる場合は、ダイナミック・レンジが制限されます。

警告:増幅器もしくは信号発生器を測定する際には、VNAのひとつのポートに加わった全電力が、その入力の絶対最大定格電力である20dBmを超えないようにする必要があります。

Detector(検出器)

Detector パネルで、ふたつの検出チャンネルの入力アッテネータを設定できます。検出器の測定電力範囲は0dBmまでです。入力アッテネータを使うことで、このレンジを拡張することができます。
Generator(信号発生器)

警告:これらの設定は、絶対最大定格電力の20dBmを変えるものではありません。。

Speed オプションでは、ノイズ・レベルが高くなる高速掃引と、低ノイズかつ高精度な低速掃引との間を選ぶことができます。測定速度が低速、中速、高速で、1ポイント当たりそれぞれ約4 / 2 / 1 ms となります。

Bias(バイアス)

VVNA04x0-eバージョンは、内部にプログラマブルなバイアス発生器を内蔵しています。これは安定化された電源供給回路で、電圧を-12~+12V、電流を± 1~100mAに安定化することができます。まるで研究室の安定化電源のように使うことができ、電流源もしくは電圧源として動作します。このレベルはBias-Tee入力部分の大きさとして定義されます。
Bias(バイアス)
電流値もしくは電圧値は、Sweep Manager中の設定で掃引させることができます。上の例では、バイアス電圧とバイアス電流は両方とも固定値になっています。
パネルの右側で、VNAのそれぞれのポートのバイアス状態を定義します。

  • Open:ポートはグラウンドに抵抗100kΩ(デフォルト値)で接続されます
  • Gnd:ポートはグラウンドに対して20Ω以下の低抵抗で接続されます。DUTを通してバイアス電流をグラウンドに流す経路になります
  • Bias:設定された電圧・電流で、バイアス発生器がそのポートに接続されます

警告:そのポートの対グラウンドに接続される抵抗の最大電力は0.2Wです。抵抗に流れる電流が100mAを超えないように、また電圧も2Vを超えないよう注意する必要があります。

Calibration(校正)

このパネルで校正の設定を制御します。ユーザが校正手順を進めることができます。この手順はこのマニュアルのいろいろな箇所で詳しく説明されています。
Calibration(校正)
このリストはCalibrationを示しており、現在のポートのセットアップに必要なものです。校正が実行されたとき、緑のチェック・マークが表示されます。リスト中でいずれかの項目がハイライトされているとき、VNAはLEDの各色を点滅させることで、どのポートにどの種類の終端が必要であるかを示します。
またこのリストは校正に使われるCalKitエレメントについても示しています。例えば「stp:F-O」 というフォーマットならば、これは「SMAテンプレート・キット」(訳注:SMA Template kit; このキットはゼロの数値となっている仮のキットで、ユーザが自分の校正キットを構成する場合にテンプレートとして使える、つまり例となるものです)内のFemale-Open(メスOpen)のエレメントが使われることを意味しています。
Calibrate ボタンで、リスト中でハイライトされた項目の校正を実行します。実行後にリストは次の項目に進みます。校正はいかなる順序でも行うことができ、リストで示される順番に従う必要はありません。
デュアルCalkitが利用可能であれば、Dual Calkit チェック・ボックスを使うことで、複数ポートでの校正手順をより簡単にできます。このボックスのチェックをトグルさせても、既に得られた校正データを失うことはありません。
User Calibration チェック・ボックスがオフの場合、VNAは工場出荷時に定義されたポート校正値を用い、測定はそのポート校正値で正規化されます。 User Calibration チェック・ボックスにチェックが入っている場合、ユーザによる校正結果が使用され、Sweep と Runボタンは、全ての校正項目が完了したときにだけ有効になります。このチェック・ボックスをトグルさせても、実際の校正を実行することに対しては何の影響も与えません。
測定が終了しソフトウェアにより正規化が実行された後でも、校正を再実行することができます。Renormalize ボタンにより、現在の測定結果に対して、再実行した校正結果を適用することができます。このボタンは、最初に校正キットで再校正し、その後にこの校正結果で測定結果の再正規化をおこないます。
Clear Data ボタンは測定データをクリアしますが、校正データはクリアしません。Clear All ボタンは測定と校正の両方のデータをクリアします。

Instrument calibration(測定器の校正)

VNAは内部ハードウェアの校正を実行します。それにより測定の正確さを維持します。温度が変化した場合や、測定セットアップが変更された場合にこの校正が必要になります。掃引が開始されたとき、ソフトウェアは必要に応じてこの内部校正を実行します。
連続掃引モードで動作しているとき、ソフトウェアは連続掃引モードのスタート時、また掃引最中に自動校正チェックを行います。連続掃引モードは一回一回の掃引において、校正によって中断されることがあります。とくにハードウェアが起動して温度が上昇している場合に顕著です。
Cal VNA ボタンは内部校正を強制実行するために使うことができます。校正は自動的に行われているため、これは一般的には必要がありません。

Port Connectors(ポート・コネクタ)

校正キット・マネージャは、使用されるべき適切な補正係数を選択するため、どのコネクタとGender(極性)が使われているかを知る必要があります。このセットアップはPort Connectors パネルに示されます。
Port Setup ボタンにより、ポート・コネクタ選定スクリーンが表示されます。このボタンはMeasure タブのPort Setupボタンと同じ機能です。

Display(表示)

ソフトウェアは、校正と測定のデータをトレース・セット(訳注:データ配列のようなものと考えてください)に保存します。掃引のセットアップに依存しますが、このトレース・セットには、測定ごとでの複数のトレース(訳注:測定データの曲線)を含めることができます。
Display パネルは、グラフ領域で表示するグラフの種類を設定できます。校正データの表示もできます。
Display(表示)
スクリーン上に加えることができるグラフの種類は、そのSパラメータ・データに依存します。S11とS22では、グラフは様々な表現方法によりインピーダンスを示します。S12とS21(S13/S23)では、ゲインもしくは損失と位相を示すグラフになります。

Display(表示)

グラフを追加するのは非常に簡単です。表示したい信号をリストの中から選択し、Add graph をクリックします(もしくはダブル・クリック)。それにより、その信号において表示可能な、グラフのリストを示すダイダアログ・ボックスが開きます。リストから希望するグラフを選択し、スクリーンに表示させてください。
グラフの種類については、このマニュアルの後半でより詳しく説明します。

Deembedding(ディエンベデッド)

ディエンベデッドは、測定結果から測定セットアップに関わる部分を取り去るプロセスです。ディエンベデッドのパラメータは、ピコ秒とデシ・ベルで、手動で入力できます。もしくはSet OpenSet Short ボタンでオープン、ショート測定として実行できます。この手順は6章の校正「ディエンベデッド」で説明しています。

CALIBRATION KIT MANAGER(校正キット・マネージャ)

◆ 校正エレメントの定義

VNAソフトウェアは校正キット・マネージャ機能を持っており、利用可能な、そして必要となる、校正エレメントとそれらの補正係数を管理することができます。ソフトウェアは、それぞれの校正において正しい補正係数を適用できるように、どんなコネクタとどのGender (極性)が使われているかを知る必要があります。
Calibration Kit Manager(校正キット・マネージャ)
図中の左側は利用できるコネクタの種類のリストです。これらはそれぞれの測定ポートにおいて選択できるコネクタ種類です。校正キットのうちでそのコネクタ種類が使われていない限り削除ができ、リストに載っていない限り新しいコネクタ種類の追加ができます。もし新しいコネクタ種類をもつ校正キットが導入された場合には、その種類が自動的にリストに加えられます。
Cal Kits パネルは、使用可能な校正キットの種類を示しています。新しいキットを加えたり、それらを削除したりできます。もしくは、Cal Kit file (.vck) からキットをインポートすることができます。同様にCal Kit をエクスポートもできます。
Copyボタンは選択されたCal Kit を新しいものにコピーするために使うことができます。新しいCal Kit 設定を開始する作業が簡単になります。
矢印ボタンを使うことによって、リストの中でCal Kit の順位を上げたり下げたり、移動したりすることができます。リスト上での位置は、同一のコネクタをもつ複数のCal Kitsがあった場合に、その優先順位を示しています。ソフトウェアは、リストの中で一番上位にあるCal Kitから校正エレメントを設定します。
Cal Kit パネルは、リストの中から選択されたCal Kit のプロパティを示しています。その名称とラベルは変更することができます。エレメント定義の中で、そのキットの非常に短い表記としてラベルを使うことができます。
Cal Kit Elementsパネルは、選択されたCal Kit 内の校正エレメントを示しています。新しいエレメントを加えたり、Cal Element file (.vce) にエクスポートしたり、インポートしたりすることができます。
一番下のパネルは、選択されたCal Element のプロパティを表示しています。左側は一般的なプロパティで、右側はそのエレメントの測定補正値を定義する係数もしくはSパラメータです。
Label は校正エレメントに対しての非常に短いラベル表記として使うことができます。Frequency(のレンジ) は現在の測定レンジにおいて、そのエレメントが適切であるかを判断するために用いられます。最大周波数の値を0にすることで、ソフトウェアは最大周波数の設定を無視します。
Typeは実行する校正の種類を定義し、Connector ボックスとGenderボックスで、エレメントのコネクタ種類と極性を選択します。Serial number で特定のCal Kitにある特定のCal Element を指定することができます。
実際にはFemale(メス)、Male(オス)、Neutral(同一極性)の3種類の極性があります。Neutral は無極性のコネクタか、コネクタのところで校正ができないテスト治具やプリント基板のCal Kits で用いることができます。Neutral の設定は、メスもしくはオスの設定と互換性はありません
校正キット・マネージャ画面におけるGender設定は、Cal Kit Elementそのものの極性を設定します。一方で「ポート設定のセットアップ」の節で示したSelect Port Connectors画面でのGender設定は、測定ポートの極性を設定します。これによりソフトウェアは、Male(オス)エレメントとFemale(メス)ポート、もしくはNeutralとNeutral(訳注:無極性同士)を組み合わせます。

校正エレメントの定義

校正エレメントの電気的な特性は、Coefficientsもしくは、Sパラメータを測定することにより、定義することができます。
Coefficient モードは、全てのエレメントがディレイ損失の要素を持っています。校正エレメントのうち幾つか、またアダプタは、短い線路長を持っています。Delay はリファレンス面から実際の校正インピーダンスの間の距離(伝搬時間)です。Lossはその線路の表皮効果による損失です。
他の係数の定義は校正エレメントの種類に依存します。

Openエレメント

Openエレメント
C0からC3の係数は、校正点におけるフリンジ(寄生)容量を定義するものです。

Shortエレメント

Shortエレメント
L0からL3の係数は、校正点でのフリンジ(寄生)インダクタンスを定義するものです。幾つかのCal Kitでは、これらの係数は全て0となっています。

Loadエレメント

Loadエレメント
Loadエレメントは、実際の終端インピーダンスを定義することができます。

Throughエレメント

Throughエレメント
Throughエレメントは、DelayとLoss以外の係数はありません。

エレメントのSパラメータ

エレメントのSパラメータ
幾つかのCal Kit は、そのエレメントのSパラメータのファイルとともに供給されています。これらはその長さに対してディエンベデッドされていない、生のSパラメータ・データです。これらのSパラメータは当然ながら、より良好なCal Kitを基準として測定されています。
このSパラメータはTouchstone フォーマットversion 1.0のファイル(.S1P or .S2P) からインポートできます。
Touchstoneファイル
Touchstone ファイルの内容を表示した後、スクリーンにはそのファイルのプロパティが表示されます。2ポートのファイルの場合には、目的とするデータ・セット(S11、S22)を選ぶことができます。
10MHz もしくはそれより小さいサンプル点間隔を持っていることを推奨します。オプションのリサンプリング機能は、周波数範囲を制限するとか、保存する測定ポイント数を低減するために用いることができます。

非常に多くの異なる種類のグラフがありますが、それらは全て測定されたSパラメータから得られるものです。これらのSパラメータは、インピーダンスもしくはゲインのどちらかで表現されています。異なるグラフの種類は、トレースのタイプ(インピーダンスかゲイン)に依存します。

インピーダンスのグラフ

測定結果のインピーダンスは、異なる種類のグラフとして表現することができますが、全ては測定されたSパラメータ(S11かS22)が元となります。

リターン・ロス

リターン・ロスのグラフはスカラ値です。それゆえ位相情報はなく、送出信号と反射信号(信号源ポートとDUTのインピーダンス間のミスマッチによるもの)との差として与えられます。この比はdBで表わされ、位相情報は持っていません。この値が小さければ、インピーダンス・マッチングが良好であることを示しています。完全なマッチング状態でリターン・ロスは‐∞、完全なミスマッチ状態ではリターン・ロスは0dBになります。アンテナでは、リターン・ロスのリミット値として-10dBより良好という条件が良く使われます。

フォワード・ロス

フォワード・ロス(もしくは伝送ロス)は、信号源ポートとDUTの間のインピーダンス・ミスマッチによる電力損失を相対量として示すものです。完全なマッチング状態であれば、フォワード・ロスは0dBになります。

SWR

SWR はリターン・ロスと同様のものですが、進行波(Forward Wave)と比較した定在波(Standing Wave)の比として定義されます。1なら完全なマッチング状態であり、完全なるミスマッチ(オープンもしくはショート)状態では∞になります。

インピーダンス

インピーダンスのグラフは、測定したインピーダンスの大きさと位相をそのまま表現しているものです。

インピーダンスのスミス・チャート

スミス・チャートは、複素平面上に複素インピーダンスを表現するためによく用いられるもので、回路をどのようにマッチングさせるかをグラフィカルに計算するのに良く適しています。スミス・チャートは、マッチングの概略状況も示してくれます(中央に近い場合は50Ωに対してより良いマッチングとなります)。またスミス・チャートは、複素アドミッタンスやマッチング状態(SWR円)も示してくれます。

インピーダンス校正グラフ

ソフトウェアはOpen, Short, Load校正の測定結果を表示することもできます。これらは現在の測定セットアップの条件で、校正用終端のSパラメータ測定値を表示します。

校正ソース・インピーダンス

Open, Short, Load校正が終了したとき、測定セットアップの状態でリファレンス面から見える、実際のソース・インピーダンスを計算できます。DUTはこの信号源インピーダンスで励振されます。その結果はスミス・チャート上に表示されます。

ゲインのグラフ

測定したゲインを表すためのグラフが何種類かあります(数としては少ない)

ゲイン

ゲイン・チャートは、2ポート測定におけるゲインもしくは損失を与えてくれます。このグラフは、大きさと位相をふたつの異なる軸で表します。位相は群遅延として表現することもでき、DUTの位相ひずみを表す値となります。

ゲイン線形性

ゲイン線形性チャート(The Linear Gain Chart)は、ゲインと位相のグラフと同じですが、ゲインが線形軸上に示されています。

ゲイン極座標

極座標のゲイン・グラフは、ゲイン・チャート(大きさと位相)と同じ情報を表示しますが、複素極座標平面上に単一軸として表現されています。

ゲイン校正グラフ

IsolationとThroughの校正結果を、それぞれのグラフに挿入損失(インサーション・ロス)として表示することができます。

校正シンク・インピーダンス

Through校正を行っている間、VNAは信号源のポートから受信ポートに到達する信号のみを測定するのではなく、信号源のポートから受信ポートを(測定セットアップを通して)見たインピーダンスも同時に測定することができます。これをSink Impedance(シンク・インピーダンス)と呼び、スミス・チャート上に表示できます。

グラフの制御

グラフはマウスを用いた幾つかの方法で、制御もしくは変更できます。

トレース

トレースは測定データを示しています。測定の種類によって、ひとつか複数のトレースとなります。パラメトリック掃引(2変数以上)では、複数のトレースとなります。
グラフの一番下の凡例は、それぞれのトレースの色と種類を示しています。パラメトリック掃引での凡例は、トレースがどのパラメータ値で測定されているかを示しています。

ズーム

パンもしくはズーム・イン/アウトするには、グラフの右辺もしくは下辺の矢印を用います。数字は拡大率を示します。下側の右角にある小さい四角は、スケーリングをデフォルト値に戻すためのものです。垂直と水平のスケール制御機能があります。 スミス・チャートではその全体がズームされます。水平もしくは垂直のズーム制御は同じ効果となります。

カーソルとマーカ

マウス・ポインタをグラフ上で動かすことによって、マウスはカーソルとして動作し、その数値をグラフ下部に表示します。トレース中の測定点の上にカーソルを合わせ、移動させることによって、その点の数値を得ることができます。
トレースをクリックすることでマーカをセットできます。それによりトレース上にマーカが現れ、グラフの一番上にマーカ・リードアウトが表示されます。
マーカを削除するには、マーカ自体かマーカ・リードアウトをクリックしてください。
マーカは測定点のみしかセットできません。測定点の少ないトレースでは、一番近い測定点を探すことが少し難しくなります。Show Trace Points 機能は、それぞれのトレースの測定点をマークすることができ、測定点を簡単に見つけることができます。

マウスによるコントロール

マウスをグラフ上にもってきてクリック、右クリック、もしくはダブル・クリックしたとき、マウスは複数の機能を提供します。以下のグラフは、マウスのクリックが異なる機能を持つようになる、特別な位置を示しています。Cは左クリックを意味し、Rは右クリック、Dはダブル・クリックを意味します。

マウスによるコントロール

C1 トレースをクリックすることで、その点にマーカをセットします。
C2 マーカもしくはマーカ・リードアウトをクリックすることで、そのマーカを削除します。
R1 トレース上で右クリックすることで、コンテキスト・メニューが現れ、そのトレースを表示したり、消したりすることが可能となります。もしくは他のトレースを表示したり非表示にすることもできます。
R2 軸上で右クリックすることで、コンテキスト・メニューが現れ、その軸に属する全てのトレースを表示、非表示にすることができます
R3 グラフ領域全体で右クリックすることで、コンテキスト・メニューが現れます。
R4 スミス・チャートにおいてマーカもしくはマーカ・リードアウトのところをクリックすることで、コンテキスト・メニューが現れ、その指定したポイントでマッチング・カリキュレータを起動できます。
D1 凡例のところでダブル・クリックすることで、トレースの測定点のマークの表示/非表示を切り替えることができます。もしトレースが非表示状態の場合は、凡例をダブル・クリックすることで、トレースを表示させることができます。
D2 位相軸のみですが、位相軸上でダブル・クリックすることで、群遅延モードと位相モードを切り替えることができます。
D3 スミス・チャート上をダブル・クリックすることで、トレース・ラベルの表示/非表示を切り替えることができます。
(図中では示されていない)

コンテキスト・メニュー

コンテキストメニュー

グラフ内のいずれかの位置で右クリックすることで、そのグラフのコンテキスト・メニューが表示されます。どの位置でクリックしても、その位置で利用可能な有効な機能を示している、ほぼ同じリストが表示されます。
上の2項目のみが、クリックされた位置もしくは軸に依存して異なるメニューになります。

グラフのアレンジ

グラフ領域でグラフをアレンジするには、ドラッグ・アンド・ドロップを用います。これによりグラフ・サイズを変更することができ、グラフ領域を最大限に活用することができます。

グラフのアレンジ

タイトル・バーをつかむことで、グラフをドラッグできます。さらに他のグラフ上にそのグラフをドラッグすることができます。青の四角はどの位置にそのグラフが収まるかを表示しています。
上記の左側の画像では、インピーダンスのグラフをスミス・チャートの左側にドラッグしようとしています。その結果、右側の画像のように表示順序を変更することができます。

スミス・チャートの軸の組み合わせ

スミス・チャートは、インピーダンスが直列に接続されるとき何が起きるかを簡単に予測できるようにするため、通常インピーダンス軸が描かれています。

スミス・チャート スミス・チャート

アドミッタンスの軸を描くことも可能で、それにより並列にインピーダンスが接続されるとき何が起きるかを示すこともできます(上記の右のグラフ)

スミス・チャート スミス・チャート

スミス・チャート中央からの距離がマッチング状態を示しており、定リターン・ロス円を中央の周りに描くことができます(左のグラフ)。右側のグラフは定SWR円を示しています。

マッチング・カリキュレータとシミュレータ

◆ マッチングの手順

VNAソフトウェアの非常に強力な特徴として、アンテナ開発を手助けするために組み込まれた、マッチング・カリキュレータがあります。

マッチングカリキュレータ

上記のグラフは、VNA Sandbox に含まれているWiFiアンテナの特性を示しています。このアンテナはデータシートのスペックを参照して作りこまれていますが、結果的に得られたインピーダンスは、WiFi帯域に対してあまり良好にマッチングしていません。リターン・ロスのグラフでは、ふたつのマーカがこの帯域の境界に置かれていますが、帯域内でアンテナのリターン・ロス‐10dBを少なくとも実現したい要望があるとします。
マッチング回路はリアクタンス素子、例えばコンデンサやインダクタの組み合わせから成り立っており、アンテナのインピーダンスを目的のインピーダンスに変換するために良く用いられるものです。
MegiQ VNA のソフトウェアは、マッチング・カリキュレータを内蔵しています。それによりマッチング回路をより簡単に設計することができ、結果をリアルタイムにシミュレーションすることもできます。

マッチングの手順

  • スミス・チャート上で、マッチングをする必要のある周波数帯域の中央にマーカを置きます。これは前のグラフにおいてはマーカ1に相当します。
  • マーカかマーカ・リードアウトのところを右クリックして、メニューからMatch Circuitを選択します。
  • Match Calculator が開かれます。元々のインピーダンスにより、ふたつか4つのマッチング可能な回路候補と、そこから得られるインピーダンスを提案してくれます。結果として得られた‐10dB帯域は、それぞれの提案回路の下部に表示されます。
    マッチングカリキュレータ
  • 自身の好みによって回路を選択できます。直列インダクタとなるローパス構成は良い選択肢として良く用いられます。それはローパス・フィルタが付加されることで、高調波放射を低減できるからです。
  • マッチング素子の周りにあるスライダは、素子定数のファイン・チューニングに用いることができ、帯域幅の最適化により、結果的にE系列内(訳注:素子標準値を指します)の値に対してマッチングさせることができます。上記の右図は、スミス・チャートの中心(50Ω)付近でカーブが変化し、‐10dB帯域を340MHz以上に増加させています。
  • Selectボタンで、目的のマッチング回路を選択できます。ソフトウェアはこの回路をスミス・チャート上に適用し、マッチング状態を表示してくれます。コンテキスト・メニューのCopy Match機能を使うことで、このマッチング回路を、同じパラメータ(このケースではS22)の他のグラフに対してコピー(適用)することもできます。
    マッチング回路

結果的に得られたアンテナ構成は、WiFi帯域全体にわたって約‐14dBという非常に良好なリターン・ロスを実現できました。
Run sweep ボタンを使うことで、連続掃引が可能で、マッチング結果はそれぞれの測定ごとにアップデートされます。このモードは、アンテナがケースもしくは手の影響により、周辺環境が変化した場合のマッチング・インピ―ダンスの評価に使うことができます。

この測定の校正を注意深く行い、そしてマッチング点に近づいたとき、DUT上で実回路を的確に作りこむことができます。マッチング結果はシミュレーション結果と良好に合います。回路構成の最適化が必要なケースにおいては、このマッチング手順を複数回繰り返すことが必要なこともあります。

コンテキストメニュー

理解しやすくするために、マッチング回路のラベルを修正してみました。図中左側の「Zm」 はマッチング対象となる被測定インピーダンスで、右側のラベル「VNA」は(一般的に)50Ω側に相当します。

セッション・マネージャ

セッション マネージャ

ユーザは全ての種類の測定の実行、自身の設計の変更、同一の測定の繰り返し、以前の測定との比較、その他の作業など、いろいろ実行したいことがあるでしょう。セッション・マネージャはこの要求に対して、非常に使いやすいツールを提供してくれます。
測定セッション自体は、ひとつのプロジェクト内での多岐の測定項目、もしくは複数のプロジェクトで共通で用いられる標準的測定から成り立っています。セッションはハードディスク上のファイルとして構成され、それをデータや設定として保存したり呼び出したりすることができます。
実行するそれぞれの測定には、名称を付けることができ、セッション・リストに保存することができます。そして、そのセッション・リストをダブル・クリックすることで、後から呼び出すことができます。全ての測定データは保存され、それらは測定データ、校正データ、測定セットアップ、掃引とパラメータ、グラフとズーム、マーカ、マッチング回路を含んでいます。

セッション・リストの保存

Save Asボタン をクリックすることで、一番直近に行った測定をセッション・リストに保存できます。測定名を入力できるウィンドウが開きます。

注:これはこのセッションのファイル名ではありません。そのセッションをユーザが保存するまで測定結果はハードディスクに保存されません。測定に対して(新しい)名称を選び、OKをクリックもしくは Enterを押します。続いてその測定がセッション・リストに現れます。注意点として、その測定にユーザが設定した名称は、リストの中で個別(ユニーク)である必要はありません(訳注:原文ではdoes NOT necessarilyが正しいとのことです)。何度も同じ名称を使うことができ、それらの違いはタイム・スタンプにより区別されます。
測定結果を上書きしたい場合は、最初にリストからそれを削除し、Save As を使って新しい測定を保存してください。同じ名称で新しい測定結果を保存し、以前のものを後で削除することもできます(訳注:原文に誤表現あり)
保存された測定結果のスクリーンの見栄えを変更することができます(たとえばチャートにマーカを挿入し、それをもう一度保存するなど)。これを保存するにはSave ボタンを使います。

セッションの保存

プログラムを終了させる前に、そのセッションをハードディスクに保存することを忘れないでください。これを行うには、disketteアイコン をクリックして上書きするか、その右側のアイコンをクリックしてディスク上に新しいファイルを指定します(ファイルのダイアログ・ボックスが表示されます)。 セッション・ファイルは.vns という拡張子です。
新しい空のセッションを作るには、“Start a new Session” のアイコンをクリックします。

セッションのオープン

Open a session file アイコンをクリックすることで、過去に保存したセッション・ファイルを呼び出すことができます。ファイル・ダイアログ・ボックスが開かれ、その中から目的のセッション・ファイルを選びます。
Windowsのファイル・エクスプローラからセッション・ファイルをダブル・クリックすることでVNAプログラムを起動し、セッション・ファイルをロードできます。なおこのアクションは、そのセッション・ファイルから測定データを呼び出すものではありません。

測定データの再呼び出し

セッション・リストから過去に保存した測定データを選びます。
これは測定データを呼び出すだけではなく、グラフ、校正データ、またそれ以外の設定もあわせて呼び出します。
注意すべき点として、この呼び出しは、呼び出し前にすでにVNAに保存されていた校正データを上書きします。測定器はこの呼び出された校正データが有効か有効でないかを確認する手段がありません。異なる測定セットアップとなる(別のコネクタやケーブルなどが用いられた)場合は、再度校正作業を行う必要があります。
測定結果を保存することは、校正データを保存することでもあります。2ポート校正にはある程度の時間がかかることから、この機能を有効活用することができます。もし非常によく定義された測定セットアップ(ケーブル、治具、コネクタなど)が用いられるのであれば、校正の完了後に測定データとして保存することで、これを単純に校正データ・セットとして呼び出して使うこともできます。それでも安全面から考えれば、毎回校正を行う必要はあるでしょう。

削除とリネーム

セッション・リスト中の測定名称をダブル・クリックすることで、それをリネームもしくは削除することができます。

エクスポートとインポート

セッション・ファイル中の測定データは、そのアイテムを右クリックしてExport as SnP をコンテキスト・メニューから選択することで、エクスポートできます。これにより測定コントロール・バーの中にあるExportボタンと同じエクスポート・スクリーンが開かれます。
コンテキスト・メニューのImport from SnP を使うことによって、Touchstone ファイルを測定データとしてインポートできます。これによりデータをグラフに表示したり、プログラムでデータを操作したりできます。インポートしたデータに対してマッチング回路を計算するために、マッチング・カリキュレータを使うことも可能です。呼び出したデータをスクリーン上にグラフとして追加するには、手動で操作する必要があります。その後に画面セットアップも含めて、データを再保存することができます。

Touchstone形式でのエクスポート

Export Touchstone スクリーンは、エクスポートする測定項目を選択し、エクスポート先を指定することに用いることができます。

Export Touchstone スクリーン

Sパラメータで共通的に用いられるフォーマットがTouchstone フォーマット です。これは1、2そしてマルチポートのSパラメータをサポートしており、.S1P, .S2P, .S3P などの拡張子を持っています。Touchstone フォーマットはエクセルに簡単にインポートすることができます。
測定結果は複数のトレース情報を持つことがあるため、エクスポート・スクリーンでは、それぞれのトレースに対してTouchstone ファイルを書き出すことができます。
このスクリーンでは、その基本(ベース)となるファイル名の変更、保存するSパラメータやトレースの選択が可能です。

Export Touchstone スクリーン

Export ボタンをクリックすると、そのトレース・ファイルの保存先ディレクトリを選ぶファイル・ダイアログ・ボックスが開かれます。
つづいてエクスポートするファイル数を入力します。
Touchstone フォーマットでは、異なるタイプのデータ・フォーマットを扱うことができます。この選択はエクスポート・スクリーンの中で選ぶことができます。CSVの設定では、.CSV の拡張子をもつCSVファイルに書き出します。

VNAのプログラムは、以降に作成する報告書などに使えるように、高品質なグラフを生成できます。この作業を効率的に行うには、まずVNAと接続しているラボのコンピュータからネットワーク中に測定データを保存します。そしてデスクトップ・コンピュータの中にもVNAソフトウェアを用意し、ネットワークから測定データを引っ張り出して、レポート用グラフを生成します。

レポート・ジェネレータ

Utilityバー内にあるPrint ボタンをクリックすることで、レポート用グラフを生成できます。このボタンでPrint preview スクリーンが開かれます。
レポート・スクリーン
グラフ領域の正確なスクリーン・レイアウトが、このスクリーンにプリントされており、それはファイル名、測定名称、VNAのセッティングとともに表示されています。テキスト・ボックスにより、これらの情報を手動で変更することができます。 グラフはクリップ・ボードにコピーでき、レポートに簡単にペーストすることができます。さらにはファイルに保存したり、直接プリンタに出力したりもできます。
全てのグラフ・アイテムは、Enhanced Metafile Format (emf) としてスケーラブルなグラフィック・データで保存され、高品質にスケーリングができます。
グラフ領域のオリジナル・サイズは、レポートの図のサイズとして使われます。これによりグラフ上のテキスト・サイズの相対的なサイズを大きくしたり、小さくしたりすることが可能になります。大きなスクリーンからスタートして、報告書に貼りこむためにグラフの大きさを小さくするとき、小さいテキストを得ることができます。小さいスクリーンからスタートした場合には、張り込んだ結果として大きいテキスト・サイズを得ることができます。
スクリーン上のカラー設定、ロゴ 、その他のオプションは、プログラムのOptionsスクリーンから選択できます。オプション・スクリーンで、スミス・チャートのアドミッタンス軸の非表示の設定ができます。
Printメニュー項目で、全グラフ領域のレポート・スクリーンが開かれます。

単一のグラフのコピー

グラフ・コンテキスト・メニュー内のコピー項目を使うことで、単一のグラフをコピーすることができます。

OPTIONS(オプション)

◆ Screen(スクリーン)
◆ Reports(レポート)
◆ VNA

Utilities バーからアクセスできるOptions スクリーンの中から、プログラムの幾つかのオプションを選択することができます。このスクリーンにはVNAの情報を表示するためのタブや、VNAに新しいファームウェアをアップロードするためのタブがあります。

Screen(スクリーン)

Screen(スクリーン)

このタブで、スクリーンに関する幾つかのオプションを変更できます。

  • Colour scheme:グラフのカラー設定、例えば黒のバックグラウンド、白のバックグラウンド、モノクロのトレースと白のバックグラウンド、さらにその他のカラー設定などの色の設定を選択することができます
  • Marker Font Size:グラフの中のフォント・サイズを大きくすることができ、大きなスクリーンでより見やすくなるようにできます
  • Touch screen:タッチ・スクリーンの操作、例えばオンスクリーン・キーボードや、右クリック相当としてスクリーン上を長押しすることを認識したりするような、タッチ・スクリーン操作をサポートする複数の機能をオンにできます。これはユーザが使っているオペレーティング・システムでタッチ・スクリーンをサポートしているかいないかによって、使えるか使えないかが決まってきます
  • Show Center/Span:グラフの中にCenter/Spanの数値を表示するかしないかを設定します
  • Set screen size:レポート生成のときに、ある決まったスクリーン・サイズをいつも使うことが便利なときがあります。これらのボタンを使うことで、サイズを選ぶことができます。希望するサイズを入力するか、現在のスクリーン・サイズから取り出すかにより、カスタム・サイズを設定できます

Reports(レポート)

Reports(レポート)

このタブでレポートを生成するためのオプションを設定します。

  • Colour scheme:レポートに使うためのカラーの設定です
  • Marker Font Size:グラフの中のフォント・サイズを大きくすることができ、大きなスクリーンでより見やすくなるようにできます
  • Hide admittance lines:スミス・チャート上のアドミッタンス軸を非表示にできます。この軸のラインがあると、チャートが非常に細かく、読むのが難しくなってしまうことがあるからです
  • Graph logo:グラフ右側の下角にロゴをプリントするための設定です

VNA

VNA

このタブでレポートを生成するためのオプションを設定します。

  • VNA Info:製品名、シリアル番号、バージョン、オプションと、デバイス固有ID番号などのハードウェア情報
  • Autoconnect:このチェック・ボックスにチェックが入ると、VNAが検出されたとき、ソフトウェアは自動的に接続を開始します
  • Connection:VNAとのコネクション(接続動作)を制御します
  • Test VNA:VNAのハードウェア・テストを走らせ、その結果を表示します。このテスト実行後は、VNAが必ず必要です(VNAソフトウェアのバージョンが新しくなった場合には、自動的にVNAがリブートされます)
  • Copy Info:リスト情報をコピーします
  • Firmware:新しいファームウェアをアップロードするためのスクリーンを開きます

コネクション・スクリーン

コネクション・スクリーン

VNAソフトウェアをバーチャル・マシン上で動作させていると、VNAが接続されたとき、ソフトウェアがVNAを自動的に検出できないことがあります。
このスクリーンは、VNAが接続されているCOMポートを選択するために使用されます。実際のCOMポート・フィールドのテキストは、幾つかのWindowsのバージョンによって異なります。場合によってはデバイス名がリストに表示されず、COMポートだけがその俗称名(generic name)とともに表示されている場合もあります。これはソフトウェアがVNAを検出できなかったということではありません。

ファームウェア・スクリーン

このスクリーンは、新しいファームウェアをVNAにアップロードするためのものです。

ファームウェア・スクリーン

  • VNA Info:VNAスクリーンと同じVNA情報が表示されます
  • Firmware files:アップロードされるファイルのリストです
  • Browse:アップロードするファイルを一覧表示するためのボタンです
  • Clear:ファイル・リストをクリアします
  • Send file(s):リブートせずにVNAにファイルを送信します
  • Send firmware:ファイルを送信し、以降でVNAをリブートします
  • Overwrite existing:現在のファイルを上書きするためのフラグです。めったに使われません

ファームウェアをアップロードするとき、VNAはそのファイル・システム内にアップロードされたファームウェア・ファイルを保存します。以降にリブートするとき、ブート・ローダがこのファームウェアをインストールし、インストールが成功したとき、そのファイル・システムからファームウェア・ファイルを削除します。
この機能はMegiQで開発される他の種類のファイルや、コントロール・オプションをインストールするときにも使うことができます。このファイルは特定のデバイスIDに対してロックされていることがあります。

仕様

パラメータ VNA0440 – VNA0460 VNA0440e – VNA0460e 単位
周波数
帯域 400 … 4000 / 6000 400 … 4000 / 6000 MHz
精度 2 2 ppm
分解能 5 5 kHz
出力
レベル +5 … -40 +5 … -40 dBm
精度 +/- 1 +/- 1 dB
分解能 0.5 0.5 dB
高調波 -35以下 -35以下 dBc
入力
最大RF入力レベル
損傷なし
20 20 dBm
最大DC入力レベル
損傷なし
+/- 20 (1) +/- 20 V
検出器レンジ
400 – 4000 MHz数
+20 … -70 +20 … -70 dBm
検出器レンジ
4000 – 6000 MHz
+20 … -60 +20 … -60 dBm
全体の測定精度 0.5 0.5 dB
全体の方向性精度
(校正済み)
55以上 55以上 dB
バイアス生成器
制御 ソフトウェア制御の
電圧・電流源
(ソース・シンク可能)
 
Bias-Tee 内蔵。
ソフトウェアにより
スイッチ制御
 
バイアス電圧設定範囲 -12 … +12 V
バイアス電流設定範囲 +/- 1 …100 mA
一般
ポート 2 x 双方向 2 x双方向 &  
1 x 信号源出力
インピーダンス 50 50 Ω
ポートのリターン・ロス -15以上 -15以上 dB
電源供給
(ACアダプタ含む)
8 … 24 8 … 24 VDC
DC消費電力 8 10 W
インターフェース USB 2.0 USB 2.0
測定速度 1000 1000 pts/s
掃引長 > 100k > 100k points
サイズ 145 x 82 x 32 145 x 82 x 32 mm
RFコネクタ SMA SMA
拡張コネクタ no yes

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VNA Sandbox

VNA Sandbox

VNA SandboxでVNAの使い方を
やさしく学ぶことができます

RF開発の初心者に対して、VNA Sandboxを提供しています。このキットには、デュアルUFL校正キットと、多くの種類の1ポート/2ポート回路、例えば共振回路、フィルタ、アンテナ、アクティブ回路のプリント基板が同梱されています。
Sandboxキットには、校正方法や回路の測定方法を解説する、非常にわかりやすい入門書が添付されており、測定結果と、実際の素子や回路のふるまいとの関係について詳解しています。
VNA Sandboxに含まれる全てのアダプタとスペア・コネクタにより、簡単に測定を開始でき、簡単に結果を得るための一番の早道が得られます。

UFL & Balanced
校正キット

UFL&Balanced

より高精度なUFL校正と
バランスド測定のための
校正キットです。

  • UFL / バランスドによるVNA測定
  • より本格的なチュートリアル
  • 基板の層間厚3種に対応したデュアルUFL OSLT 校正キット
  • バランスド OSLT キット
  • SMA-UFL アダプタ
  • SMAバランスド・アダプタ
  • UFLバランスド・アダプタ
  • UFL差動アダプタ
  • UFL ケーブル
  • 測定用UFL ソケット
  • 測定用ピン・ ヘッダ
  • どんなVNAでも使用可能
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一般的な測定においては、反射の影響をさけるために電波暗室で測定されますが、RMSは非常に高機能なアンテナ・デザインにより、反射に対する感度を低減しています。これにより比較的小さなラボやオフィス環境においても、放射の測定を行うことができます。

VNA0440

翻訳者コメント:本翻訳マニュアルは、ご使用の皆様にご理解いただけるように十分に意訳し、また不明瞭な部分はMegiQ社にすべて確認して翻訳しました。原文と異なる部分もありますが、それらは上記理由によるものとご理解ください。

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MegiQ社の書面による承諾なしに、この文書のいかなる部分も、いかなる形状もしくは情報保存や抽出システムなどいかなる機械的・電気的方法によって再構成してはなりません。内容と仕様は予告なく変更することがあります。

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